ネットサービス、家庭菜園、宇宙、科学、パソコン、テレビや本、地域の話など
AMDA本部に行ってきたよ! その2
2006年01月11日 (水) | 編集 |
スポンサードリンク



シニアボランティア・アドバイザーの小池さんという方が、いろいろ活動内容について教えてくれた。
最初の言葉が、考えていたAMDAのイメージと違っていたのでビックリ。

「AMDAの職員は全員が事務員なんですよ」

えっ?
医者の集団じゃないの?

どうやら、派遣するお医者さんは全部ボランティアで、裏方の仕事全てをやるのがAMDAの仕事らしい。
スケージュール管理・通訳・移動手段の手配・国連や他のNGOとの連携、分担作業・宿泊・物資、機材の準備・派遣先の国との打ち合わせや、許認可をもらう作業・人材育成・他・・・。

小池さん 「相手の国の宗教や文化を知らないと大きなトラブルになることがあるし、きちんと打ち合わせをしておかないと、派遣先の国に行ったはいいけど、移動場所や相手がやって欲しい事がわからないのです」

小池さん 「しっかり準備して行っても、必ず何等かのトラブルはあります。医師が医療作業だけに集中できる環境を作るのがAMDAの仕事です」

なるほど。たとえば日本で大きな災害があって、いきなり他の国の医療チームが来たとしても、日本でおこなっても良い医療範囲がわからないし、事前に準備をしていなければ、場所を提供してくれる病院も設備も無い。それ以前に災害の場所への移動方法や、その日の宿泊の問題もあるし、通訳がいなければ言葉もわからない。事務仕事はとても重要なのだな。

話を聞いていたら、AMDAを創設した菅波茂さんのインタビュー記事を思い出した。
------------------------------------------------------------------------
『難民を助けようと、医学生二人とカンボジアに向かった。だが、難民キャンプ地が見つからない。見つけても、邪魔者扱いされた。的確な情報と現地での受け皿がなければ、善意も通じない。各地の医学生と友好関係を深めて設立したのがAMDAだ。』

『血のつながりを重んじる独特の部族社会を世界が理解していないから、外部からの解決が難しい。ボランティアも同じ。厳しい身分制度を意識しないと、善意でも事件に巻き込まれる。』

『当初は「売名行為」との非難もあった。日本にはボランティアという概念がなかったからしょうがない。阪神大震災でその概念が確立した。多くの人が、自分のお金と時間を使って奉仕をしたでしょ。「困った時はお互いさま」という気持ちなんですよ、根底にあるのは。』
------------------------------------------------------------------------

AMDAが事務仕事なら、医師はどこにいるの?

小池さん 「医師は、その都度募集して来てもらうのです」

高給の医師を、常時何十人も抱えるのは難しいもんね。

原則的に3ヶ月間は無料のボランティアで働いてもらって、3ヵ月後に新しいボランティアの医師と交代する方式で、どうしても3ヶ月を超えるような場合は、気持ちということで9~10万円を受け取ってもらうそう。

小池さん 「流石に3ヶ月以上、無給で働かせることはできないから…(笑)」
「日本に居れば高い給料をもらえるのに、ボランティアに参加してくれていますし」

自分で希望してボランティアをやっているのだから、10万円も渡さなくていいのに。その分、寄付に回せば…と、一瞬思ったけれど、よく考えたら日本に家族もいるだろうし、職場を休んで活動しているのだから、とても10万円じゃ足りないくらいか。

次の言葉を聞いたときには、ちょっと泣きそうになった。くだらないことを考えていた自分を反省。自分の中のお医者さんのイメージが大幅にアップ。

小池さん 「災害が起きたとき、いつでもボランティアとして出動できる医師がいるとは限りません。自分達の仕事があるので、何ヶ月も休暇が取れる人はほとんど居ません。100人居て1人か2人です。それでも、ボランティアを希望してくれる医師は100人中100人が、「行けるかどうかわからないけど必ず声をかけてくれ」と言ってくれます」

病院に行くことがあれば、こういうお医者さんに診てもらいたいな。

その他にも小池さんが話してくれた事はいっぱいある。
全部がとても興味深い話だったが、特に一般には知られていないような内容を書いてみた。
------------------------------------------------------------------------
「AMDAは災害のときにすぐに出動するイメージを持たれていますが、それは、活動全体からすれば、1~2割なんですよ。だって、それじゃあ災害が無いときはAMDAは何をやってるんだ?ということになってしまうでしょ?(笑)」
「残りの8割は、アジア・アフリカなどの医師を育成したり、職業訓練、人材育成、広報活動、住民への教育などをやっているのです」

「阪神大震災など、被災地での救急チームが立ち上がるのは5日後くらいと言われています。街中が混乱しているからです。けれど、命の危険がせまっている人は5日も待てません。だからAMDAがすぐに出動するのです。そして、地元の医療が立ち上がったら退くのです。活動資金を無駄には出来ないので、地元が立ち上がったら地元に任せて帰ってきます」

「よかったら活動に参加してみてください。外国語は出来ますか?出来れば仕事の幅は広がりますが、出来なくても仕事はあります。荷物の番をしてくれる人も欲しいくらいなのです。知らない現地の人を雇って番をさせる訳にもいきません。盗難も多いので…。国内でも参加できる仕事も沢山あります」

「私たちAMDAでは、一般の方たちへ知ってもらうための広報をしていかなければならない責任を感じています」
------------------------------------------------------------------------

話がひととおり終わったので、ちょっと部屋を眺めてみた。
6畳ほどの狭い部屋に、6人分の机が並んでいる。
通路は1mも無いくらいで、人が座ったらギュウギュウ詰めでとても狭い。

部屋の中の備品全てが「やけに古いなぁ」と思っていたら、気付かれてしまったのか、「統一されてないでしょう? 机も椅子も拾って来たり、もらったりして集めたから全部バラバラ。再利用です。ははは(笑)」と、小池さんは笑った。
広くてピカピカで豪華な事務所だったら、支援も考えてしまうけれど、あんなにボロくて狭い部屋で仕事をしているのを見てしまうと、逆にもうちょっと事務所にお金かけたら…と思ってしまった。

予備知識まったく無しで、いきなりAMDA本部に行って聞いてきた内容を書いてみた。

「ちょっと本部を眺めてすぐに帰ろう」くらいのつもりだったのだが、作業中の仕事を中断して、真剣に話をしてくれた小池さん。なるべく間違えないようにと、すぐに帰って思い出しながら書いた。この業界に詳しいわけではないので、勘違いしていたり、間違っていたりしているかも知れないけれど、AMDAの事を知りたい方の参考になれば嬉しい。

国内でもセミナーや、チャリティーイベントを定期的に開催しているようだ。全然知らなかったけれど、近くでやっている時には覗いてみようかなと思う。

臨時収入が入ったので、ちょっと募金に協力しちゃおうかな、という軽い気持ちで行ったのに、おもいっきりためになる話を聞いてしまった。

過去記事: AMDA本部に行ってきたよ! その1

AMDA(アムダ) - 救える命があればどこへでも



テーマ:伝えたいこと
ジャンル:日記